2026.09.11

解剖学を施術に落とし込みたいセラピスト必見! 「斜角筋」へ的確にアプローチする施術テクニック! 

こんにちは。MTI(マッサージセラピー・インスティテュート)学長の國分利江子です。

今回は、斜角筋への実技についてお話ししていきます。斜角筋は首の側面に位置し、すぐそばを腕神経叢や鎖骨下動脈が通っているため、施術の際には特に丁寧なアプローチが求められる部位です。解剖学的な位置づけを理解したうえで的確に圧を届けられるようになると、施術の質は大きく変わってきます。

今回は、そうした斜角筋へのパルペーションからストリッピングまでの流れを、丁寧に説明していきたいと思います。

ぜひ動画も併せてご覧ください。

頭頸部の施術に求められる繊細さ

皆さんも実技にはだんだんと慣れてきた頃だと思います。ただ、首や頭部は非常に繊細な部位であり、わずかな作業の違いで施術の質が大きく変わってきますので、少し細かめに説明したいと思います。

身体全体をダイナミックに使うストロークと同じように、今度は指先を正確かつ細やかに使うことが、頭頸部の施術では身体全体の施術以上に求められるようになります。少し細かい説明になりますが、できるところから少しずつ取り組んでみてください。

前斜角筋へのアプローチ姿勢

まずは前斜角筋です。

首にスペースを作るため、左側で施術をする場合は、反対側へ30度ほど頭部を傾けます。傾けすぎるとクライアントが呼吸をしにくくなるため注意が必要です。

はじめはちょうど30度程度で始めても、施術に夢中になるうちに、いつの間にか傾きすぎてしまうことがあります。ですので、右手はサポート側として必ず添え、首の位置を常にコントロールするようにしてください。

そのうえで首にアーチを作ります。頸椎の横突起の位置は、耳道の延長線上を下方へたどった線上にあります。まずは耳道の位置から見当をつけ、そっと指を置いて、実際にその位置に横突起があるかどうかを探ってみてください。

はじめのうちはこの「探す」作業が必要ですが、慣れてくるとこの工程は不要になり、最初から自然と指が横突起の位置へ向かうようになります。そこには横突起と、そこに付着している筋肉の感触がしっかりと感じられるはずです。

横突起のパルペーション方法

横突起は1番目、2番目、3番目、6番目、7番目というように一つひとつをカウントして特定することはできません。そのため私はまず、横突起全体を指でストリッピングするようにしています。そうすることで、斜角筋全体の起始部にしっかりと圧を入れることができます。

具体的には、乳様突起が終わり耳道とのクロッシングポイントとなる場所から指をぐっと入れていきます。このときに圧を加える場所は、横突起のトップの部分です。骨に沿って圧を伝えることができるため、しっかりとアプローチすることができます。

このとき指を軽く曲げ、横に位置する横突起に沿わせるようにします。拇指が筋肉の付着部にしっかりと入り込んでいる感覚をつかむことが大切です。皮膚や筋肉の表面をなぞるだけでは、斜角筋は決して緩みません。この感触は、ぜひ実際の授業のなかで丁寧につかんでいただきたいポイントです。

深い圧のかけ方

はじめのうちは、どうしても指に力が入ってしまいがちです。そこで、力を抜きながら進めることを意識し、最初から深い圧を作ろうとしなくても構いません。少しずつ慣らしていくことで、徐々に深い圧を作れるようになっていきます。

最初から無理をせず、感触を丁寧に味わいながら、確実に一歩ずつ技術を高めていってください。

筋腹への注意点

続いて、筋腹の部分を少しだけストリッピングしてみましょう。

斜角筋は位置がとても重要な筋肉であり、腕神経叢や鎖骨下動脈といった構造の影響を受ける場所でもあります。そのため、練習は少しずつ始めていただきたいのですが、クライアントへの施術は、ご自身がしっかりと慣れてから行うようにしてください。

横突起の部分については積極的に練習を重ねていただいて構いませんが、筋腹を扱う際には十分に注意を払うようにしましょう。

まとめ

斜角筋への施術は、頭頸部という繊細な部位を扱うからこそ、身体全体への施術以上に指先の正確さときめ細やかさが求められます。

前斜角筋へのアプローチでは、クライアントの呼吸を妨げない角度を保ちながら首の位置をコントロールし、耳道の延長線上にある横突起を丁寧に探ることが出発点となります。横突起全体をストリッピングして起始部にしっかりと圧を入れ、指が筋肉の付着部に入り込む感覚をつかむことが、確かな効果につながっていきます。

また、腕神経叢や鎖骨下動脈といった重要な構造の近くを扱う筋腹の施術には、十分な注意が必要です。最初から無理をせず、一つひとつの感触を丁寧に確認しながら、着実に技術を積み重ねていっていただければと思います。


MTI(マッサージセラピー・インスティテュート)のご案内

私が学長を務めるMTI(マッサージセラピー・インスティテュート)では、アメリカのニューヨークにあるスウェディッシュ・インスティテュートで学んだマッサージセラピーを教えています。これは運動療法から発展して機能改善を目的としたアメリカ発のオイルマッサージです。このスクールには、不調の原因を理解し、お客様一人一人に合わせた質の高い施術をしたいという方が入学されています。

詳細については、ホームページやLINEでご確認いただけますので、興味をお持ちの方はぜひご連絡ください。皆さんのキャリアの新たな一歩をサポートできることを楽しみにしています。

【公式LINE登録はこちら

次回のブログでお会いしましょう!