こんにちは。MTI(マッサージセラピー・インスティテュート)学長の國分利江子です。
今回は、解剖学の知識を施術に落とし込むための実践テクニックとして、横隔膜への的確なアプローチ方法をご紹介します。腹部の施術の延長線上から横隔膜へと意識を向けていく流れ、オイルの使い方の注意点、そして肋骨縁のストリッピングによる横隔膜へのアプローチ方法まで、具体的な手順とともに解説していきます。
ぜひ動画も併せてご覧ください。
横隔膜へのアプローチの基本
横隔膜は、その起始部が肋骨の縁に潜り込むようにして存在しているため、圧を加える際にはこの構造を意識することが重要です。腹部の施術の延長線上で、ゆっくりと横隔膜の部分まで触れていき、クライアントを安心させるように肋骨のラインをしっかりとマッサージします。そして軽く行ったり来たりと、肋骨に沿って往復させるように動かすこともできます。
オイル量の調整と注意点
背中など他の部位よりも、腹部や横隔膜については、オイルを少し多めにして滑り心地を良くしても構いません。ただし、横隔膜への作業でピンポイントに入っていく際には、オイルが多すぎると滑ってしまい、指に余分な力が入ったり、狙ったポイントから位置がずれてしまったりする可能性があります。この点には注意が必要です。
肋骨縁のストリッピングと横隔膜への意識
以前、腹部の筋肉の付着部として、第10肋骨の縁のストリッピングについてお伝えしましたが、横隔膜へのアプローチも基本的には同じ考え方です。今度は横隔膜の付着部を感じながら、意識を横隔膜の方に向けて行ってみてください。もちろん、これらの付着部は重なり合っており、実際に触り分けることはできませんが、意識の向け方を変えることで、圧の届き方も変化していきます。
しっかりと引っ張ったり、圧を潜めていったりしながら、ストリッピングを行ってみてください。肋骨の縁からぐっと圧を加えていく際、慣れないうちは指の角度が斜め45度程度になっても問題ありません。片手で行うことも、安定させるために両手を使うことも、どちらでも構いません。
施術時の注意点
ここで注意していただきたいのは、下方向に押しすぎてしまうと、これは内臓へのマッサージになってしまうという点です。その場合、横隔膜には届かないため、施術自体が悪いわけではありませんが、横隔膜への作業としては適切ではありません。
まとめ
今回は、腹部の施術の延長線上から横隔膜へとアプローチしていく方法について解説しました。起始部が肋骨の縁に潜り込む横隔膜の構造を意識しながら、肋骨のラインに沿って安心感を与えるようにマッサージを行い、オイルの量を調整しながらピンポイントでのアプローチへとつなげていきます。
第10肋骨の縁における腹部の筋肉の付着部と横隔膜の付着部は重なり合っているため触り分けることはできませんが、意識の向け方によって圧の届き方が変わってくる点も重要なポイントです。
また、下方向に押しすぎると内臓のマッサージになってしまい、横隔膜への作業としては適切でなくなってしまう点にも注意しながら、丁寧にストリッピングを行っていただければと思います。
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