こんにちは。MTI(マッサージセラピー・インスティテュート)学長の國分利江子です。
今回は、セラピストの身体を守り、最小の力で最大の圧を生み出す「ボディメカニクス」について、前編・後編の2回に分けてお伝えいたします。
前編では、ボディメカニクスとは何か、なぜ重要なのか、そしてMTIが世界で最も詳細なボディメカニクスを開発するに至った研究の背景についてご説明いたします。
ぜひ動画も併せてご覧ください。
ボディメカニクスとは
ボディメカニクスという言葉を皆さんはお聞きになったことがありますか?
ボディメカニクスとは、ボディのメカニクス、つまり身体をどのように使うかということです。
オイルの施術において、このボディメカニクスを知っているか知らないかによって、大きく2つのことが違ってきます。
ボディメカニクスを習得する2つのメリット
1. 身体の疲労と職業病の予防・改善
1つ目は、身体が疲れやすいという状況があったとしても、それが身体が疲れなくなるということです。
そしてさらに、その身体の疲れが職業病に発展していくということを防ぐことができます。
あるいは、すでにちょっと職業病になってどこか痛いなという方も改善することができます。
2. 良質な深い圧の実現
2つ目は、身体で無理に力を入れて圧を作り出さなくてよくなるということです。
ソフトタッチの施術であれば、それほど違いはないかもしれません。しかし、ディープティシューの本当に筋肉にしっかりと圧を入れていく、筋肉や筋膜の深いところまで圧が入っていく、そういう施術をするときには、その圧を作り出すためにボディメカニクスを知っているか知らないかは、大きく違いを作ります。
ボディメカニクスを知っている、それを使いこなすことができると、圧が本当に無理な力を入れた雑味のある強さではない、本当に心地がいい良質な、深い心地いい圧になります。
これは言葉で言ってもなかなか伝わりにくいので、ぜひ一度、受けてみていただくと、もう全く違いが分かります。
生徒さんたちの驚きの体験
よく私のスクールでこのBMSのボディメカニクスを学んだ方が、お店でマッサージをされて、以前にスクールに入る前に来てくださっていたお客様が、たまたま何かの理由でしばらくいらっしゃらなくて、勉強して6ヶ月経った後に、久しぶりにお会いして、指名してくださって施術を受けたところ、「なんかどうしたんですか?」「なんか違う人がマッサージしたのかと思ってました」「どうしたんですか?」「どうやってこんなに上達したんですか?」と驚かれましたという生徒さんがたくさんいらっしゃいます。
このように、ボディメカニクスというものを知っていると、皆さんの身体が疲れず職業病にならないというだけではなくて、クライアントの方に良質な施術を提供することができるようになり、満足感が高まり、効果が高くなります。
世界の中で最も詳細なボディメカニクス研究
さらに、もう1つボディメカニクスについて皆さんに知っていただきたいことがあります。
それは、世界中で一般的に教えられているボディメカニクスというのは、割と大雑把だということです。
エフルラージュの姿勢の、三角形、身体の上半身の三角形とか、それから頭から足までが一直線である。そして、どのように移動するかという簡単なことだけが伝えられているのが、世界でも最も進んでいるマッサージセラピーを教えている、私が卒業した大学、スウェディッシュ・インスティテュートでも、そこまでのボディメカニクスだけを教えていただいていました。
しかし、私は、これはセラピストが長く仕事を続けていくのには本当に重要なことだと考えました。そして、良質な圧を作り出すにも、実はこれが鍵になるということを発見して、おそらく世界の中で一番このボディメカニクスについて研究を重ねてきた1人だと思います。
武道の研究とボディメカニクスの融合
実際に武道を3年以上学びました。その武道というのは小さい力で大きい力を作り出したり、小さい力で大きい効果を作り出したり、小さい身体の人が大きい身体の人を投げ飛ばしたりということで、太極拳とか、合気道というのは、このオイルのマッサージの施術に取り入れるには、ちょっと身体のシステムが違います。
だけれども、私が学んだカンフーというのは、まさにそれにぴったりの身体の動きと力学というのを体験することができました。
なので、私は3年以上かけて、その身体の動きによってそのボディメカニクスの基礎になるものを、訓練して身体に染み込ませ、それからさらに、今もう14、5年かけて、オイルマッサージにそのボディメカニクスをどう活かすと、身体が疲れず職業病にならず良質な圧を作ることができるかということをずっと研究してきました。
一般のセラピストにも習得可能なプログラムの開発
そして、13年前からはスクールを作って実際に自分で使うだけではなく、実際にたくさんの方に教えてきました。私の身体ではすぐ使えるようになったボディメカニクス。なぜならカンフーを3年以上やっていたので、身体が思うように動いたのです。
ところが、一般のセラピストの方々はそこまで身体を鍛えていなかったり、使いこなせなかったり、自分の身体の動きをコントロールするということが不慣れなことが多かったので、その生徒さんたちを教えてきたことによって、たくさんのいろいろな一般の方々がどういう課題、問題を持っているかということまで踏まえて、それをどうやったら改善することができるかという研究をプラスして、BMSのボディメカニクスがさらにたくさんの方に、簡単に利用していただける今の形というのを作り出すことができました。
まとめ
ボディメカニクスは、セラピストが長く健康に仕事を続けていくための必須技術です。身体の疲労や職業病を防ぐだけでなく、クライアントに良質な圧を提供し、施術の満足度と効果を大きく高めることができます。
MTIでは、世界中のマッサージ教育機関で教えられている基本的なボディメカニクスをはるかに超えた、詳細で実践的なボディメカニクスを習得することができます。武道の研究から生まれた身体の使い方を、一般のセラピストの方々にも簡単に習得していただけるプログラムとして体系化しました。
次回の後編では、具体的な施術での身体の使い方、NGポイント、そして実践的なエクササイズについて詳しくご説明いたします。
MTI(マッサージセラピー・インスティテュート)のご案内
私が学長を務めるMTI(マッサージセラピー・インスティテュート)では、アメリカのニューヨークにあるスウェディッシュ・インスティテュートで学んだマッサージセラピーを教えています。これは運動療法から発展して機能改善を目的としたアメリカ発のオイルマッサージです。このスクールには、不調の原因を理解し、お客様一人一人に合わせた質の高い施術をしたいという方が入学されています。
詳細については、ホームページやLINEでご確認いただけますので、興味をお持ちの方はぜひご連絡ください。皆さんのキャリアの新たな一歩をサポートできることを楽しみにしています。
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