2025.12.05

 世界レベルの解剖学に基づいたディープティシュー/マッサージセラピー 【後編】

こんにちは。MTI(マッサージセラピー・インスティテュート)学長の國分利江子です。

後編では、マーセルストリッピング、フリクション、ニーディング、そしてスクウィージングについて解説していきます。これらのストロークを正しく理解し、適切に使い分けることで、施術の効果と心地よさを大きく向上させることができます。

ぜひ動画も併せてご覧ください。

マーセルストリッピング

ストリッピングは、拇指でしっかりとエフルラージュと同じような体勢で、骨の付着部の際のところに圧を入れていく作業です。

このストロークは、ポイントワークとして緊張している線維の部位や骨の付着部ギリギリのところに圧を入れるのに非常に適しています。ゆっくり行ったり、早めのスピードで行ったり、短いストロークを重ねて行ったりすることで、味わいが変わってきます。

フリクション

フリクションは、大きく広い範囲ではなく、ピンポイントの狭いエリアで血液の循環を回復させるストロークです。これにより緊張を緩めたり、血液の流れを良くして疲れを取り除いたり、老廃物を血流に戻して排出したり、癒着を緩めたりといった効果が得られます。

フリクションの種類

フリクションには様々な種類があります。

筋肉の線維に沿った形でのフリクション、筋肉の線維に90度に入っていくフリクション、45度など斜めに入るフリクション、そしてサーキュラーフリクションと呼ばれる丸く圧を回していくフリクションがあります。

筋肉の緊張にはそれぞれ個性があり、どういう緊張の状態にあるかに合わせて、どのフリクションが最も効果的かを選んで行います。

ニーディング

ニーディングは、フリクションを移動しながら行うストロークです。フリクションよりも移動距離が出てくるため、作業している間に圧が抜けてしまったり、ずれていってしまったりしないよう、自分の身体と指をすべてコントロールすることがとても重要です。

圧が抜けていかないようにするためには、ボディメカニクスが必須となります。

スクウィージング

スクウィージングについて解説します。肩のトップが最もスクウィージングで使われる場所です。

多くの方々が行っているスクウィージングは、皮膚の表面や筋肉の表面が心地よく刺激される段階に留まっています。BMSボディメカニクスでは、筋肉の内側、そして深い筋膜にまで圧を届けるスクウィージングを開発しました。

効果的なスクウィージングの特徴

BMSボディメカニクスのスクウィージングでは、掴んだまま緩んでいかないのが特徴の一つです。ただ掴んでいるだけだと、だんだん外れていって皮膚と脂肪だけを掴んでいる状態になり、「掴まれてちょっと痛い」という感覚になってしまいます。

スクウィージングで「痛い」と言われる施術には、主に2つの原因があります。1つ目は、筋肉を掴んでおらず皮膚と脂肪だけを掴んでしまっていること。2つ目は、筋肉を掴もうとして指に力が入ってしまっていることです。

指や手や腕に力を入れないのに、なぜかしっかりと掴める。これがBMSボディメカニクスのスクウィージングの特徴です。

圧の加算

止まっているように見えますが、実は独特の秘密の方法で圧を少しずつ足しています。ただ持っているだけのように見えても、圧は加算されており、クライアントはどんどん筋肉の緊張が緩まり、心地よさが増していく状態になっています。

しっかり掴むことができれば、いくらでも長く維持することができます。このとき、拇指側に起点を置くか、四指側に起点を置くかで、刺激される側が変わってきます。このような細かいコントロールで、施術の味わいがクライアントにとっては全く変わってくるのです。

一般的なスクウィージングとの違い

一般的なリラクセーションで行われている掴みは、筋肉の力によって掴んでいるため、掴んでいる間中筋肉が緊張している必要があり、すぐに疲れてしまいます。さらに、この掴みは外れやすく、皮膚の表面か筋肉の表面にしかその掴みが届いていません。

BMSボディメカニクスのスクウィージングは、この課題を解決した技術です。

まとめ

後編では、マーセルストリッピング、フリクション、ニーディング、スクウィージングの4つのストロークについて解説しました。

それぞれのストロークには独自の特徴と効果があり、クライアントの状態に合わせて適切に選択することが重要です。特にスクウィージングでは、BMSボディメカニクスを習得することで、クライアントに痛みを与えず、深い筋肉や筋膜にまで圧を届ける施術が可能になります。

これらのディープティシューのストロークを効果的に行うためには、ボディメカニクスの習得が不可欠です。正確なボディコントロールを身につけることで、セラピスト自身も疲れにくく、クライアントにとって心地よく効果的な施術を提供できるようになります。


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私が学長を務めるMTI(マッサージセラピー・インスティテュート)では、アメリカのニューヨークにあるスウェディッシュ・インスティテュートで学んだマッサージセラピーを教えています。これは運動療法から発展して機能改善を目的としたアメリカ発のオイルマッサージです。このスクールには、不調の原因を理解し、お客様一人一人に合わせた質の高い施術をしたいという方が入学されています。

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