2025.11.28

 世界レベルの解剖学に基づいたディープティシュー/マッサージセラピー 【前編】

こんにちは。MTI(マッサージセラピー・インスティテュート)学長の國分利江子です。

今回は、マッサージセラピーにおけるディープティシューのストロークについてお伝えします。ソフトタッチのストロークとディープティシューのストロークの違い、そしてエフルラージュの多様な活用法について詳しく解説していきます。

ぜひ動画も併せてご覧ください。

ソフトタッチとディープティシューの違い

ソフトタッチのストロークは、とても柔らかく暖かい、滑る心地よさが特徴です。一方、ディープティシューのストロークは、筋肉や筋膜、腱、靭帯の内側まで圧がしっかりと潜り込んでいく力強いストロークとなります。

マッサージセラピーの施術は「ディープティシューだけの強いストローク」と勘違いされがちですが、実際はそうではありません。「マッサージセラピー」という言葉を改めて考えてみると、これは「セラピューティックマッサージ」とも呼ばれ、フェザータッチと言われる羽が触れるような柔らかいタッチから、筋肉の中心まで沈み込む力強いディープティシューのタッチまで、幅広く使い分けるのがマッサージセラピーの施術なのです。

そのため、ストロークもすべての圧の深さに対応するよう作られており、スウェディッシュマッサージの少ないストロークと比べて、かなり種類が増えています。

エフルラージュの奥深さ

同じエフルラージュでも、深さによって全く異なる効果を発揮します。ちなみに、皆さんが「エフルラージュ」と呼んでいるこのストロークは、本場の言葉で発音すると❝effleurage❞という発音になります。

エフルラージュには、ゆっくりと心地よいオイルをたっぷり使った導入部分で使われるものから、オイルを少し減らして圧が筋肉や筋膜に染み込んでいくようなやり方まで、様々なバリエーションがあります。

身体の使い方の重要性

オイルを少なめにした作業では、私の姿勢を見ていただくと、通常のセラピストが足を固定して腰を使って作業するのとは異なることがおわかりいただけると思います。これはボディメカニクスの授業で詳しくお伝えしますので、楽しみにしていてください。

スピードを早くすることもできます。スピードが早くなると身体が使いこなせなくなって疲れるのではないかと思われるかもしれませんが、実際は全く逆です。柔らかいだけのエフルラージュから、赤外線のように内側に染み込んでいく超新幹線のようなスピード感のあるエフルラージュまで、クライアントにとっては心地よさを感じられるのです。

拳のエフルラージュ

拳のエフルラージュについて、「拳が当たって痛いのではないか」と思い、つい軽くされる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、筋肉を本当に緩めたいと思ったら、圧をしっかり作った拳のエフルラージュを使いこなせることがとても大事です。

拳の場合は関節が当たりやすくなりますので、自分の身体を正確にコントロールして、自分の骨がクライアントの骨に当たらないように、しっかり身体をコントロールして正確に施術を行うことがとても重要になります。

拳のエフルラージュは通常の背中だけでなく、肩や腕、殿部、足部にも応用して使い分けることができます。

前腕のエフルラージュ

レベル1のクラスでは、ボディメカニクスが初めての方向けのため、前腕のエフルラージュや肘を使ったポイントワークはレベル2でお伝えしています。

多くの方が「ロミロミなど様々な施術で前腕のエフルラージュを使います」と仰いますが、ここで重要なのは、本当のディープティシューのストロークとしての前腕のエフルラージュは、しっかりと圧を作り出すということです。拳よりも広い範囲で、しっかり圧が入っていくエフルラージュを腕で作り出します。

多くのセラピストや先生方のエフルラージュを拝見する機会がありますが、ほとんどの方のエフルラージュはとても優しく心地よいものです。そこにさらに味わいと効果をプラスするためには、しっかりした圧を入れることが大事です。

ただ滑る前腕のエフルラージュではなく、本当に筋肉の中に食い込んで染み込んでいくような効果の高いエフルラージュ、さらにクライアントにとって変な強い痛みを感じない心地のいいエフルラージュを前腕で作るためには、ボディメカニクスが役に立ちます。

まとめ

前編では、マッサージセラピーにおけるソフトタッチとディープティシューの違い、そしてエフルラージュの様々なバリエーションについて解説しました。エフルラージュは単なる「滑らせる」ストロークではなく、圧の深さや速度、使用する部位によって多様な効果を発揮します。

効果的なディープティシューのエフルラージュを行うためには、正確なボディコントロールとボディメカニクスの習得が不可欠です。後編では、マーセルストリッピング、フリクション、ニーディング、スクウィージングについて詳しく解説していきます。


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私が学長を務めるMTI(マッサージセラピー・インスティテュート)では、アメリカのニューヨークにあるスウェディッシュ・インスティテュートで学んだマッサージセラピーを教えています。これは運動療法から発展して機能改善を目的としたアメリカ発のオイルマッサージです。このスクールには、不調の原因を理解し、お客様一人一人に合わせた質の高い施術をしたいという方が入学されています。

詳細については、ホームページやLINEでご確認いただけますので、興味をお持ちの方はぜひご連絡ください。皆さんのキャリアの新たな一歩をサポートできることを楽しみにしています。

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