2025.05.23

【身体が痛いセラピスト必見!!】手首を痛めない施術法!明日すぐ現場で使える実践レクチャー

こんにちは。MTI(マッサージセラピー・インスティテュート)学長の國分利江子です。

特に手首は繰り返しの動作や不適切な角度での施術により痛めやすい部位です。今回は手首を痛めない施術法についてお伝えします。明日からすぐに実践できる内容ですので、ぜひ最後までお読みください。

身体の痛み・負担解消 手首を痛めない施術法


手首を痛める一般的な施術方法とその問題点

多くのセラピストが日常的に行うエフルラージュ。この施術を行う際、手首に角度をつけて施術している方が非常に多いのです。どういうことかというと、手首を回しながら圧をかけるという動作です。

この手首を回す動きは、実は手首に非常に大きな負担をかけています。たとえ今すぐに痛みが出ていなくても、じわじわとした不快感や熱感、疲労感、力が入りにくいといった症状が出てくる可能性があります。

解剖学と身体の骨と筋肉、神経の関係をみると、なぜこの動作が問題なのか明確に説明がつきます。手首を回す動きによって、神経や血管が骨の構造物に対して不自然な角度で圧迫されるため、長期的に組織へのダメージが蓄積されていくのです。この関係性を理解することで、施術方法の改善に繋げることができます。

ギオン管症候群について知っておこう

手首の痛みや不調の原因として、「ギオン管症候群」という状態があります。ギオン管とは、手首の小指側にある豆状骨と有鉤骨によって形成される隙間のことです。この隙間を尺骨神経と尺骨動脈が通っています。

この構造は私たちの身体を守るためのもので、例えば転びそうになった時に手をついたり、立ち上がる時に手を支えにしたりする際に、神経や動脈が直接圧迫されないように保護しています。

しかし、手首を回しながら圧をかける施術を行うと、この神経組織が骨に当たったり、過度に引っ張られたりすることで損傷する危険性があるのです。

不適切な手首の使い方の具体例

特に注意が必要なのは以下のような施術方法です:

  1. エフルラージュの際に手首を回しながら背中などを施術する方法
  2. 大腿部やふくらはぎを施術する際に、進行方向に向かって手首を引っ張るような姿勢

こうした施術方法は、ギオン管を圧迫し、神経を痛めるリスクがあります。

正しいエフルラージュの手のポジション

身体に負担をかけず、かつ効果的な圧をかけるエフルラージュの手のポジションがあります。それは、上腕骨、前腕、そして手の部分をまっすぐに使うことです。

具体的には:

  1. 上腕と前腕、そして手をまっすぐに保つ
  2. 進行方向に向けてまっすぐに使う
  3. この姿勢を保ちながら、体重をしっかり乗せる
  4. 手のひらを吸い付くような感じでグッと圧をかける

このように、骨がまっすぐの状態で圧を伝えることで、十分な心地よさを提供できます。そしてなにより、セラピスト自身の身体への負担を最小限に抑えることができるのです。

新しい習慣を身につけるために

少しでも手首を動かす癖がある場合、施術中に知らず知らずのうちに多く動かしてしまいがちです。新しい習慣を身につけるためには、次のポイントを意識しましょう:

・手のひらをピタッと吸い付けるようにする
・前腕と上腕がまっすぐになっていることを確認する
・この状態でグッと圧をかける
・自分自身の身体の楽な感じを意識する

これらを継続することで、正しい姿勢での施術が新しい習慣となり、長期的な身体の負担を減らすことができます。

まとめ

手首を回しながら施術する方法は、ギオン管を圧迫し、神経や動脈を痛める危険性があります。代わりに、上腕から手までをまっすぐに保ち、体重を効果的に使う施術方法を実践することで、セラピスト自身の身体への負担を減らしながら、効果的な施術を提供することができます。

日々の小さな習慣の積み重ねが、長期的な身体の健康を左右します。明日からでも、ぜひこの施術法を取り入れてみてください。

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