2026.08.21

解剖学を施術に落とし込みたいセラピスト必見! 「胸鎖乳突筋」へ的確にアプローチする施術テクニック!

こんにちは。MTI(マッサージセラピー・インスティテュート)学長の國分利江子です。

今回は、胸鎖乳突筋(SCM)へ拇指を用いてアプローチする、ストリッピングの施術テクニックについてお伝えします。解剖学の知識を実際の施術にどう落とし込むか、具体的な手順とポイントを解説していきます。

ぜひ動画も併せてご覧ください。

拇指を筋腹に定める

まず、パルペーションによって胸鎖乳突筋の筋腹を見つけます。四指を用いて頸部の後方に手を添え、頸椎の湾曲を意識しながら、呼吸がしやすい姿勢を保つようにします。指を置く位置が定まったら、拇指を胸鎖乳突筋の胸骨頭側、すなわち筋肉の前方に置きます。全体としては、まず前方からアプローチしていくとよいでしょう。

拇指の腹を胸鎖乳突筋前方の筋腹に乗せたら、その位置から指を動かさないようにします。

肘で圧を移動させる——体幹の安定が鍵

指を固定した状態で、肘を前方へと動かしていきます。この動作を支えるためには、体幹がしっかりと安定していることが不可欠です。体幹が不安定なまま肘だけを動かしても、十分な圧をつくることはできません。身体全体を安定させ、その安定感の上に力を伝えるという意識を持つことが重要です。

また、指先を動かしてマッサージを行うことは避けなければなりません。指を動かすと圧が絶えず変化してしまうだけでなく、拇指の筋肉も疲労しやすくなります。そのため、拇指は正しい位置を見極めて筋肉を的確に捉え、圧を加えたうえで、その圧を移動させる役割は肘に担わせるようにします。

圧の方向と線維へのアプローチ

画像からも分かるように、この施術ではしっかりと圧を加えていきます。ストリッピングを行う際、通常は指の進行方向に圧が入りますが、その方向のまま進めると、自然と喉や気道を圧迫してしまう向きになりかねません。

そのため、この部位に限っては、筋腹に指を乗せたあと、胸鎖乳突筋とその深部にある筋肉との間に圧を潜り込ませるようなイメージで施術を行います。こうすることで、胸鎖乳突筋前方の線維をストレッチさせながら、圧を加えていくことができます。

繰り返しの中で意識すべきこと

この動作を何度も繰り返していきますが、同じ動きを続けていると、次第に単に撫でるだけの作業になってしまうことがあります。そうならないためには、まず筋肉を的確に捉え、そのうえで肘を使って圧を移動させるという流れを意識することが大切です。

捉え直しを毎回行わなくても、自然な流れの中で作業が進んでいくような感覚を目指しましょう。このようにしてSCMの感触をしっかりと感じ取ることができたら、指を少し外側へずらして次のステップへと進みます。

まとめ

今回は、胸鎖乳突筋への拇指を用いたストリッピング技術について、筋腹の見つけ方から圧の加え方、体幹を使った圧の移動、そして線維への的確なアプローチまでを解説しました。

解剖学的な知識を正確に理解したうえで、身体全体を使って施術を行うことが、安全で効果的なテクニックの土台となります。日々の施術の中で、ぜひ今回のポイントを意識してみてください。


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