こんにちは。MTI(マッサージセラピー・インスティテュート)学長の國分利江子です。
今日は、腰方形筋のパルペーション(触察)方法についてご紹介します。腰方形筋は体幹の深部に位置し、直接触れることが難しい筋肉のひとつですが、脊柱起立筋群のエッジを目印にすることで、その位置を的確に捉えることができます。
今回は、実際の触察の手順とともに、収縮を利用してより確実に筋腹を捉えるコツについても解説していきます。
ぜひ動画も併せてご覧ください。
腰方形筋の解剖学的な位置
腰方形筋の起始部は腸骨稜の後面にあり、停止部は第12肋骨と第1〜4腰椎の横突起です。この起始・停止の位置関係から、腰方形筋は縦に長く、体幹の深部を斜めに走行するような形をした筋肉であることがわかります。
脊柱起立筋群のエッジから探る
腰方形筋を触察する際には、まず脊柱起立筋群のエッジ(外側縁)を探すところから始めます。脊柱起立筋群のエッジを見つけたら、そこよりもさらに下方かつ外側の位置に、腰方形筋があるはずです。
拇指球を横に添えて、拇指で横から圧をかけるようにしてパルペーションしていく方法が一般的ですが、拇指球を添えても添えなくても、どちらの方法でも問題ありません。
腰方形筋の縁を探る
腰方形筋の縁を探る際には、脊柱の横突起に向かって、横から少しずつ圧をかけていくようなイメージでパルペーションしていきます。ただし、対象者によっては腰方形筋の緊張がそれほど強くなく、パルペーションしてもはっきりとした感触が得られない場合があります。
股関節の挙上を利用してパルペーションの精度を高める
腰方形筋の緊張がはっきりと感じられない場合には、対象者に股関節をわずかに引き上げるように力を入れてもらいます。この動作により、指の下に腰方形筋のラインがはっきりと浮かび上がってきます。
一度力を抜いてもらい、再度同じように、先ほどの6割程度の力でもう一度力を入れてもらいます。すると、指の下で腰方形筋がぎゅっと収縮するのが感じられ、力を抜くとその収縮が緩むのがわかります。この収縮と弛緩を数回繰り返すことで、腰方形筋の外側のエッジを拇指でしっかりと捉えることができるようになります。
腰方形筋のエッジを捉えたら、その上下も探ってみましょう。上方には第12肋骨が触知され、そこからやや下方に進むと、後腸骨稜に付着する筋腹を確認することができます。再度、股関節を挙上する動作を行ってもらうと、はっきりとした筋腹の形状が浮かび上がってきます。
まとめ
腰方形筋は体幹の深部にある筋肉ですが、脊柱起立筋群のエッジを目印にすることで、比較的スムーズにその位置を見つけることができます。
パルペーションの際には、まず脊柱起立筋群の外側縁を確認し、そこからさらに下方かつ外側へと指を進めていくことがポイントです。緊張がはっきりと感じられない場合には、股関節をわずかに挙上してもらう動作を取り入れることで、腰方形筋の収縮を利用しながら、外側のエッジや筋腹の位置をより確実に捉えることができます。上下の触察を丁寧に行うことで、第12肋骨や後腸骨稜への付着部といった周辺の目印との位置関係も把握しやすくなり、施術全体の精度向上につながります。
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