こんにちは。MTI(マッサージセラピー・インスティテュート)学長の國分利江子です。
今回は、僧帽筋への的確なアプローチについて、施術テクニックをご紹介します。
ぜひ動画も併せてご覧ください。
僧帽筋へ的確にアプローチするマッサージセラピー施術テクニック
実際の施術における筋肉へのアプローチとは
実際のトリートメントでは、僧帽筋だけを単独で施術することはありません。重なっている筋肉や隣り合わせの筋肉をまとめてストロークとして施術していくのが、実際の施術シーンでは主流となります。
しかし、ここでお見せするのは、皆さんが一つひとつの筋肉を筋解剖学で理解し、場所をパルペーションで特定し、そしてアセスメント・SOAPプランでその筋肉のどこの部分が最も緩める必要があるかを理解した上で施術に入るという、筋肉ごとに分けた学習方法です。
身体全体のトリートメントという想定ではなく、筋肉ごとの施術ポイントを簡単にお伝えしていきます。なお、これは実際の授業動画よりも短めに作成したサンプル動画ですので、比較的簡単な部分のみをご覧いただく形となります。
エフルラージュで全体的なアプローチを開始
まず、パルペーションで確認した全体の筋肉に、エフルラージュで全体的に圧をかけていきます。「これからマッサージをしますよ、施術をしますよ」と身体に伝えるように、全体的にアプローチします。
エフルラージュは、施術を始める時のオープニングとしてとても大切なテクニックです。
プランに基づいた集中的アプローチ
今回のプランの中で、下部線維と上部線維がとても重要であることが分かったので、拳を使って上部線維にかかるような部分、そこの血液循環を良くするために、拳のエフルラージュを行います。
そして今度は前腕を使って軽く圧迫します。軽く圧迫して、自然に滑る感じ。滑らそうとしないで、自然に滑るぐらいの感覚が大切です。
これはボディメカニクスの授業でだんだんと学んでいきますが、なぜ無理に滑らす必要がないのか。これは身体を痛めないためにもとても重要なポイントです。
ストリッピングで骨際までアプローチ
まず下部線維が緊張しているであろう部分に対して、ストリッピングを使って棘突起の接着部、本当に骨の際々のところにしっかり圧を入れて全体的に緩めます。
このストリッピングは、リラクセーションの施術で一般的に行われているような、拇指を使って皮膚の表面や筋肉の表面を滑っていく形ではありません。しっかりしたボディメカニクスを使って筋肉の中まで入っていきます。
そのため、2、3回やっただけで赤くなって血液循環が回復してきます。
まとめ
前編では、僧帽筋へのアプローチの基本となる施術の流れをご紹介しました。
エフルラージュでの全体的なアプローチから始まり、プランに基づいた集中的なアプローチ、そしてストリッピングで骨際までしっかりと圧を入れる技術までをお伝えしました。
特に重要なのは、一般的なリラクゼーションマッサージとは異なり、ボディメカニクスを活用することで、筋肉の深部まで圧を届けながらも、セラピスト自身は疲れない施術ができるという点です。
後編では、最も重要な上部線維へのアプローチとして、スクウィージングのテクニックを詳しくご紹介します。一般的な施術との決定的な違いや、後頭骨付着部への効果的なアプローチ方法も解説していきます。
ディープティッシュのスクウィージングが、なぜクライアントにとって「10万倍」も心地よさが違うのか、その秘密を詳しく解説していきますので、ぜひ後編もご覧ください。
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私が学長を務めるMTI(マッサージセラピー・インスティテュート)では、アメリカのニューヨークにあるスウェディッシュ・インスティテュートで学んだマッサージセラピーを教えています。これは運動療法から発展して機能改善を目的としたアメリカ発のオイルマッサージです。このスクールには、不調の原因を理解し、お客様一人一人に合わせた質の高い施術をしたいという方が入学されています。
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