こんにちは。MTI(マッサージセラピー・インスティテュート)学長の國分利江子です。
オイルマッサージをしていて、拇指の痛みを感じませんか?
今回は、セラピストにとって最も重要な施術ツールである拇指のケア方法について詳しくお話しします。痛みが生じた時の対処法から、回復期のサポート方法、効果的なセルフマッサージ、そして拇指を強化するトレーニング法まで、長年の経験から得た実践的なノウハウをお伝えします。
ぜひ動画も併せてご覧ください。
セラピスト必見! 拇指の痛みセルフケア
拇指の重要性とセラピストの悩み
拇指は非常に重要な施術ツールです。どんなに他の指を使用していても、拇指による施術は効果的で、施術のボリュームも大幅に向上します。
四指を使用する際でも拇指で押さえるなど、マッサージの立役者は拇指と言えるでしょう。
その拇指が「頼りない拇指」なのか、「頼れる拇指」なのかによって、施術の技術レベルは大きく変わってきます。
私もマッサージを始めた頃は、拇指の痛みに悩まされていました。しかし、しっかりと調べて自分でケアを行い、試行錯誤を重ねた結果、現在は強く頼れる拇指を手に入れることができました。
この拇指があれば、どのようなマッサージも作り出すことができ、最高品質の施術を提供することが可能です。まさに施術における三種の神器の一つと言える存在です。
現在、拇指が細く頼りない状態で、常に気を遣いながら使用されている方もいらっしゃるでしょう。これはセラピストによくある悩みですので、心配する必要はありません。
長年の経験を通じて拇指について研究し、実際に効果を上げてきた方法をご紹介いたします。
痛みがある時の対処法
最も重要なことは、拇指に痛みがある場合の適切な対処です。痛みを感じながら加減して使用している方は、拇指に関わる筋肉に炎症が生じている状態です。
まず最初に行うべきことは拇指を休ませることです。
どうしても拇指を使用せざるを得ない場合でも、できるだけ力をかけず、他の施術方法で代替しながら、痛みが治まるまで休ませることが重要です。
次に、炎症を抑えるために冷やすことが非常に効果的です。
日本では東洋医学をベースとした身体ケアにおいて温めることが重視されていますが、炎症が起きている場合は冷やすことも重要な対処法となります。
さらに効果的なのは、冷やす・温めるを交互に繰り返すホット&アイス療法です。スポーツマッサージでよく用いられるこの方法は、血液循環を最も効率的に回復させ、炎症や原因部位の治癒を促進します。ぜひお試しください。
回復期のサポート方法
痛みが軽減し回復期に入った際、拇指を少しずつ使い始めたい時に有効なのがテーピングまたはリストバンドです。
血液循環を阻害しない程度の適度な圧迫で手首を束ねることが重要です。指の筋肉や腱は全て前腕から始まっているため、バラバラに使用するよりも束ねることで強度が増し、拇指への負担も軽減されます。
オイルマッサージでは掌を使用するため、テーピングを行う際はクライアントの感触を考慮し、できるだけナチュラルで薄い布製の素材を選ぶなど工夫することをお勧めします。
効果的なセルフマッサージ法
回復期において重要なのがセルフマッサージです。
セラピストは拇指を頻繁に使用するため、拇指球に関する内転筋や拇指対立筋などの部分が硬くなりがちです。この状態を放置すると炎症に発展し、痛みの原因となって指の機能が低下してしまいます。
効果的なセルフマッサージのコツをお教えします。通常の揉みほぐしでは、施術する側の指が疲れてしまいます。そこで、しっかりと掴んだ状態で、マッサージされる側の指を軽く揺らしてください。
圧迫に動きが加わることで二重の効果が得られ、施術者も疲れません。
私がスクールで生徒の拇指をマッサージする際、その圧の強さに皆驚かれます。無理をする必要はありませんが、しっかりと掴んでしっかりとマッサージすることが重要です。軽い刺激では変化が生じないため、恐れずにしっかりとマッサージを行ってください。
拇指を鍛える重要性
次に重要なのは拇指を鍛えることです。セラピストの皆様はこれほど身体と指を使って施術をしているにも関わらず、身体を鍛えることの重要性を説く指導者にこれまで出会ったことがありません。
しかし、私はその重要性を深く理解しているため、私のスクールでは初日から身体を鍛えるトレーニングメニューを提供しています。生徒は優先順位に従って毎日少しずつ身体を鍛えることにより、疲労や身体の痛みを感じることなく、質の高い施術ができるようになります。
拇指を鍛える具体的な方法として、まずテニスボールなどをしっかりと握るトレーニングがあります。これにより握力が向上し、拇指が強化されます。
トレーニング後は指を引っ張ってリリースし、軽く振ってほぐすことが重要です。また、冷却と温熱を交互に行い血液循環を促進することも大切です。
さらに効果的なのが軽い拇指腕立て伏せです。足ではなく膝をついた状態で、拇指を立てて軽く握るような形で行います。膝立ちにすることにより体重は半分程度に軽減されます。
拇指の腕立て伏せは大きく曲げる必要はありません。拇指に適度な負荷をかける程度の小さな動きでも、継続することにより着実に拇指が鍛えられます。
休日には拇指をしっかりと休ませ、ケアを怠らないことも重要です。働かせるだけではなく、適切なケアも併せて行ってください。
ケアと鍛錬、この二つを組み合わせて取り入れることを強くお勧めします。
まとめ
セラピストの皆様にとって拇指は最も重要な施術ツールです。痛みを感じた時は、まず休ませることから始め、炎症を抑えるために冷やすケアを行いましょう。回復期にはテーピングやリストバンドでサポートし、効果的なセルフマッサージで筋肉をほぐしてください。
そして何より大切なのは、日頃から拇指を鍛えることです。テニスボールを使った握力トレーニングや軽い拇指腕立て伏せを取り入れることで、強く頼れる拇指を育てることができます。
ケアと鍛錬を組み合わせることにより、疲労や身体の痛みを感じることなく、最高品質の施術を提供できるセラピストになることができます。
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私が学長を務めるMTI(マッサージセラピー・インスティテュート)では、アメリカのニューヨークにあるスウェディッシュ・インスティテュートで学んだマッサージセラピーを教えています。これは運動療法から発展して機能改善を目的としたアメリカ発のオイルマッサージです。このスクールには、不調の原因を理解し、お客様一人一人に合わせた質の高い施術をしたいという方が入学されています。
詳細については、ホームページやLINEでご確認いただけますので、興味をお持ちの方はぜひご連絡ください。皆さんのキャリアの新たな一歩をサポートできることを楽しみにしています。
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