こんにちは。MTI(マッサージセラピー・インスティテュート)学長の國分利江子です。
このブログでは世界水準のオイルマッサージについて、あらゆる角度からお伝えしていきます。
今日は、オイルマッサージの施術に「ドライを入れられないかな?」と思っている方にお答えしましょう。
ぜひ動画も併せてご覧ください。
ドライトリートメント【頚椎編】
頚椎ドライテクニックの重要性
今日は頚椎でのドライのテクニックをご紹介します。
胸椎と腰椎は割と構造が似ているのですが、頚椎は明らかにこの2つの場所よりも繊細です。そして頭部が乗っかっているので、正確に気を配って施術をする必要があります。
脊柱起立筋群と最長筋の解剖学的理解
脊柱起立筋群は、脊柱の棘突起に沿ってまっすぐ上がってきますが、実はその中の頭部の最長筋があり、その最長筋は頭蓋骨に付着しています。真ん中からずっと立ち上がっていて、最長筋だけが少し横側にそれて、乳様突起という耳の後ろの丸い骨の後ろ側に付着しています。
この筋肉を鷲掴みにして、少し圧迫を加えたり、揺らしたりすることで緩めることができます。そうすると肩こり、首こり、不眠の感じ、頭痛など、この1つの作業でそれらに対してとても大きい改善が見込めます。
正確な位置の見つけ方
施術で大事なのは位置です。付着部の乳様突起がポイントになります。この乳様突起の前の方にはSCM(胸鎖乳突筋)が付いているので、その後ろ側に四指を滑らせて四指で持ち上げて、拇指でガバッと掴みます。
これは滑りやすいのでドライの作業として最適です。ドライの作業をする時にシーツを使って滑らないようにしてやるので、目で見ようとしても見えません。そのため手で触察していきます。
効果的な施術のコツ
多くの方が肩が詰まったような感じになっているので、なかなか最初は掴みにくかったりします。可能であれば、少し首が下の方に降りる角度にしてもらうと、手が入りやすくなります。
掴み方のポイント
- 爪を立てないこと
- 怖がって掴めないと効果が出なくなる
- 緊張してしっかり掴まなきゃと思って力むと、その嫌な圧がクライアントに伝わってしまう
- 確信を持って、優しく施術する
一回掴んだらふわーん、掴んだらふわーんという感じで、少し呼吸とリズムが絡み合うような感じで圧を入れます。これが準備段階です。
筋肉の癒着への対処法
最長筋は実は最長筋だけで緊張していることはほとんどなく、頭板状筋や頚板状筋、肩甲挙筋がくっついて硬くなっていることが多いのです。
緊張している筋肉が癒着しているのは、冷凍庫でいくつかの物を入れたらくっついてしまったような感じです。だから無理に剥がそうとしないで、くっついているものは全部まとめてしっかり持ち上げて掴みます。
正しい掴み方
挟むような感じだとスルンと取れてしまうので、UFOキャッチャーのように、骨と骨でしっかりと筋肉を掴んでください。
揺らしのテクニック
表面が少し柔らかくなって緊張が2割ぐらい緩んできたら、もっとしっかり掴んで少し揺らします。ゆさゆさと揺らすのではなく、骨から引っ張るような感じで優しく揺らします。
指だけでやるのではなく、指は掴んでいるだけです。指をこういう風にやると圧が逃げてしまうので、身体の中心から揺らします。具体的には脚でその揺れをしっかり作ります。
施術の心構え
ドライでもオイルでもそうですが、無理矢理緊張を弛めることはしません。圧で話しかけて、それがどう受け取られて、どう吸収されているかをちゃんと感じ取りながら、次の言葉をかけてあげる感じでマッサージを行います。そうするとどんなに深いしっかりした圧で、しっかりしたピンポイントの作業をしても嫌な圧になることはありません。これが秘訣です。
施術時間と組み立て方
この施術は5分で終わることもあるし、10分15分ゆっくりやったり、1回やって他の場所をやってからまたここに戻ってきたりすることもあります。組み立て方もセラピストとしての実力を見せる1つの方法です。
まとめ
頚椎でのドライテクニックは、正確な解剖学的知識と適切な手技、そして何よりクライアントとの対話を大切にした施術が重要です。肩こり、首こり、頭痛に対して驚くほどの効果を発揮するこのテクニックを、ぜひ皆さんもマスターしてください。
しっかりと技術を磨いて身につけ、最高の施術ができるようになりましょう。緊張が取れるのは、本当に素敵なことです。
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私が学長を務めるMTI(マッサージセラピー・インスティテュート)では、アメリカのニューヨークにあるスウェディッシュ・インスティテュートで学んだマッサージセラピーを教えています。これは運動療法から発展して機能改善を目的としたアメリカ発のオイルマッサージです。このスクールには、不調の原因を理解し、お客様一人一人に合わせた質の高い施術をしたいという方が入学されています。
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