こんにちは。MTI(マッサージセラピー・インスティテュート)学長の國分利江子です。
今回は多くの方が悩まれている腰痛に効果的な、腰方形筋へのアプローチについてお伝えします。「腰方形筋にアプローチすべきだと分かっているけれど、正しくできているか不安…」という方のために、筋解剖学の知識を基にした効果的な施術法をご紹介します。
動画も併せてご覧ください。
腰の痛み・ハリ解消 腰方形筋オイルマッサージテクニック
腰方形筋の解剖学的構造を理解しよう
まずは腰方形筋の位置と構造を確認しましょう。
腰方形筋は、腸骨を起始部とし、第12肋骨および腰椎横突起に付着しています。脊椎の両側にあり、上半身を支え、腰の動きをコントロールする重要な役割を果たしています。
脊椎は胸椎(T12)から腰椎に続き、横側に突き出ている部分が横突起です。腰方形筋はこの横突起に付着しているのです。この筋肉は上半身を支えながら、腰を傾けたり捻ったりする動きを作り出す重要な筋肉です。それだけに緊張しやすく、腰痛との関連性が高いのです。
腰方形筋は、多裂筋や脊柱起立筋群の深部にありますが、横側は比較的薄い後背筋と棘筋に覆われているだけなので、アプローチしやすい部位でもあります。
効果的な腰方形筋へのアプローチ法3選
通常、腰方形筋への施術は横側からコンプレッションすることが多いですが、これだけでは硬い腰方形筋の筋腹を全体的に緩めるのは難しいものです。そこで今回は、より効果的な応用テクニックを3つご紹介します。
1. 脊椎側からのアプローチ
脊椎側から反対側の腰方形筋にアプローチする方法です。
- 脊椎の横突起のすぐ横にある棘筋と腰方形筋を捉えます
- 手根でしっかり圧をかけ、リズミカルに施術を行います
- オイルを使う場合は滑りやすいので、シーツなどで滑り止めにするとよいでしょう
ポイント: 腕だけの力ではなく、脚の力と腕の力を連動させることが重要です。下半身の力を使って圧を入れることで、脊柱起立筋群の深部にある緊張した筋肉にしっかりアプローチできます。
2. リンギングテクニック
腰方形筋を外側から持ち上げながら、同時に脊椎側から押し下げるリンギング技法です。
- 片方の手(4指)で腰方形筋の外側から持ち上げます
- 同時にもう片方の手で脊椎側から指を込んで押し下げます
- このとき、両手の間で捻じるような効果を生み出します
応用テクニック: さらに効果を高めるには、腸骨の方を少し持ち上げるような形で行うと、腸骨の際の付着部にアクセントが入り、より効果的です。
3. 肘を使用したアプローチ
肘を使って横突起付近の腰方形筋にアプローチする方法です。
- 脊椎の横突起とその横にある腰方形筋の付着部を狙います
- 骨が目立つ場所なので、肘で骨を押さないよう正確な位置を確認します
- ディープティッシュでしっかりと圧を入れ、筋肉の中に肘から圧を落としていきます
特に効果的な部位: 腸骨の付着部に来たら、腸骨の下に潜り込むような形で圧を加えます。これにより腰の深部まで圧が届き、筋肉の緊張が緩みます。最後に肘を返して腸骨に沿って圧を最後まで入れると、腰方形筋の緊張が効果的に緩和されます。
まとめ
腰方形筋は上半身を支え、腰の動きをコントロールする重要な筋肉です。腰痛の原因となりやすいこの筋肉に対して、今回ご紹介した3つのテクニック(脊椎側からのアプローチ、リンギング、肘を使用したアプローチ)を実践することで、効果的に緊張を緩め、腰痛の改善につなげることができます。
何度も読み返して、ぜひ施術に取り入れてみてください。MTIでは、このようなアメリカ発の機能改善を目的としたオイルマッサージを教えています。不調の原因を理解し、お客様一人一人に合わせた施術を提供したいというセラピストの方々にぴったりのスクールです。
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次回の記事でまたお会いしましょう!