2025.03.21

トップセラピストの施術公開!case01-右の背中が痛いお客様への施術

こんにちは。MTI(マッサージセラピー・インスティテュート)学長の國分利江子です。今回は、実際の施術現場から、筋解剖学に基づいたオイルマッサージの技術と効果についてお伝えします。

動画も併せてご覧ください。

トップセラピストの施術公開!

お客様の症状

今回モデルとしてご協力いただいたのは、MTI1期生の古屋さんです。古屋さんは「最近、背中の横の辺り、特に右側にハリがあって重く感じる」と訴えていました。

お話を伺うと、数日前に雪かきをされたとのこと。雪が解けて重くなっていたため、背中に大きな負荷がかかったようです。

姿勢観察と触診による分析

通常は立位での姿勢分析から始めますが、今回はオイルマッサージのシーンを想定し、うつ伏せの状態からの観察を行いました。

右側の脊柱起立筋に注目すると、左側と比較して明らかな違いが見られました。右側は筋肉が盛り上がり、角ばった感じがあり、腰椎部の下方でも幅が広く高くなっています。特に最も痛みを感じる部分は外側に引っ張られたような形状になっていました。

触診では、右側の脊柱起立筋の線維一つ一つが硬く緊張し、「キュルキュル」と筋が音を立てるような感触が指に伝わってきます。

雪かきの動作を分析すると、脊柱起立筋の伸展と回旋の動きに負荷がかかったことが原因と考えられます。

段階的な施術テクニック

1. エフルラージュによる準備

まず最初に、エフルラージュで全体を温め、神経的に落ち着かせることから始めました。筋肉が十分に温まる前に深い筋肉に圧をかけるともみ返しの原因になるため、この工程は非常に重要です。

しっかりとした圧のエフルラージュは、筋肉を効果的に温めます。「ホットストーンなど本当に必要ないぐらい」効果的です。

2. 拳による集中的な施術

筋肉が温まったら、拳でしっかり圧をかけ、脊柱から筋肉を引き剥がすように90度の角度をつけて施術していきます。

ここで特に注意すべきは、肋骨を押さないことです。肋骨を利用はするものの、肋骨自体に圧をかけないよう、筋肉の厚みのある部分だけを狙います。

3. ピンポイントワーク

温まって緩んできたところで、より細かいピンポイントの作業に入ります。

  • 拳のストッピング:棘突起に沿って圧を入れ、最長筋、そして最長筋の外側へと施術していきます。
  • フリクション:縦のラインに沿って線維一つ一つの状態を探りながら繰り返し圧をかけます。
  • スキンローリング:表面の組織や他の組織との癒着を解消し、周囲の血液循環を改善します。

ボディメカニクスの重要性

施術中は自分の体を100%コントロールすることが非常に重要です。施術者の軸足の位置を変えることで、拳の左右の圧のボリュームが変わります。これは解剖学的・力学的なコントロールの一例です。

また、腕や指だけで施術すると疲れてしまうため、全身を使ったボディメカニクスが必要です。オイルマッサージのために体を最適化するトレーニングを行うことで、「何歳でももう心配しないで自分がやりたい年齢まで施術を楽しむことができます」。

施術後の効果

施術後、古屋さんからは「ハリ感がなくなり、左側と同じぐらいに整った感じがする」との感想をいただきました。

特に印象的だったのは、「背中にあった硬いロープのような筋が全体的に緩んだ」「呼吸が楽になった」という変化です。フリクションのピンポイント施術については、「あった束が全部バラバラにされていって、私の筋肉ってこんなに繊細にあるんだな」と感じられたそうです。

まとめ

オイルマッサージにおける「五種の神器」は以下の通りです:

  1. 筋解剖学の知識
  2. S・O・A・Pによる施術プラン
  3. パルペーション(触診)の技術
  4. ディープティッシュの筋肉に圧を落とすストローク
  5. 体を疲れさせないためのボディメカニクス

これらをパッケージで習得することが、効果的な施術への近道です。ミシュランシェフが素材に合わせて様々な包丁を使い分けるように、私たちセラピストも様々なストロークを適切に使い分けることが大切です。

MTIでは、これらの技術を体系的に学べるプログラムをご用意しています。ご興味のある方は、ぜひご連絡ください。


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次回の記事でまたお会いしましょう!