はじめに
こんにちは。MTI(マッサージセラピー・インスティテュート)学長の國分利江子です。
セラピストとして、「背中が硬すぎて指が入らない」というお客様は珍しくありません。今回は、そんな「鉄板のような背中」に対する効果的な施術テクニックをご紹介します。
MTIマッサージセラピーインスティテュートで実践している、アメリカ式オイルマッサージの手法をもとに、特に僧帽筋へのアプローチ方法を詳しく解説していきます。
ぜひ動画も併せてご覧ください。
ガチガチ背中への施術
背中の施術準備と基本テクニック
まず始めに重要なのは、表面の筋肉から徐々に深層筋へとアプローチしていくこと。背中全体が硬くなっている場合は、いきなり深部にアクセスしようとしても効果が薄いだけでなく、痛みを伴うことがあります。
施術の第一歩として、手の平や拳を使ったエフルラージュ(軽擦法)で背中全体を温め、筋肉の緊張を少しずつ緩めていきましょう。この時注意したいのが、ボディメカニクスです。腕や手に力を入れすぎたり、上半身で圧をかけすぎたりすると、お客様に不快感を与えるだけでなく、効果も半減してしまいます。
僧帽筋の解剖学的理解と触診テクニック
背中の筋肉の中でも、最も表層にある僧帽筋は施術の重要なターゲットとなります。特に下部繊維の位置を正確に把握することが大切です。
僧帽筋の位置確認には、「ウルトラマンポーズ」が非常に効果的。お客様に両手を頭上に上げていただくと、肩甲骨の内側縁がはっきりと浮き上がり、僧帽筋の下部繊維の外側部が視認できるようになります。
その後、パルペーション(触診)で僧帽筋の縁を確認し、背中のどの位置に僧帽筋があるかを把握しましょう。この段階で施術者の頭の中に解剖学的な「地図」ができあがります。
スキンローリングとフリクションの応用テクニック
位置確認ができたら、ピンポイントでの施術に移ります。おすすめは「スキンローリング」という技法です。肩甲骨の方向に対して約90度の角度で筋肉をつかみ、ロールさせていきます。
ここで重要なのが、皮膚と脂肪だけでなく筋肉自体をしっかりとつかむこと。単に皮膚だけをつまんでしまうと効果がなく、むしろ痛みを与えてしまいます。正確に僧帽筋をつかんで筋繊維をロールさせると、ピンポイントで血流が改善され、施術部位が温かくなり柔らかさが出てきます。
次のステップとして「フリクション」を行います。先ほどのスキンローリングと同じ方向性で、今度は深層部の筋肉にもアプローチします。僧帽筋の方向に沿って摩擦を加えることで、筋肉間の空間を健全に保ち、互いの筋肉が癒着せずに動ける状態を作ります。
施術の仕上げと効果確認
フリクションで全体を緩めた後は、特に固さの残っている部分をピンポイントで施術します。僧帽筋と下層の筋肉(広背筋、下後鋸筋、菱形筋など)との間に癒着がある場合は、その部分を中心に丁寧にフリクションを行います。
最後の仕上げとして「棘のストリッピング」を行うと効果的です。脊柱の棘突起に沿って圧をかけながら筋肉をストリッピングすることで、施術の効果をさらに高めることができます。
施術後は、触診で筋肉の柔らかさと温かさを確認しましょう。適切な施術が行われると、筋肉の厚みが減少し、形がはっきりしなくなり、温度が上昇しているのが感じられるはずです。
まとめ:鉄板背中を克服するための施術ポイント
「鉄板のような背中」への効果的な施術には、正しいアプローチが欠かせません。表面にある僧帽筋から施術をスタートし、徐々に深層筋へとアプローチしていくことが成功の鍵です。ウルトラマンポーズを活用して肩甲骨の位置を確認し、正確な触診で筋肉の境界を把握することで、的確な施術が可能になります。
スキンローリングでは皮膚と脂肪だけでなく筋肉自体をしっかりとつかみ、フリクションでは筋繊維の方向に沿って摩擦を加えることで、筋肉間の健全な空間を作り出します。施術後は必ず筋肉の柔らかさと温かさを確認し、効果を実感しましょう。
これらのテクニックを丁寧に実践すれば、どんなに硬い背中でも徐々に柔らかくなり、お客様の体の不調改善につながります。セラピストとして技術を磨き、お客様一人ひとりに合わせた質の高い施術を提供していきましょう。
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